BURNER WORKS

池田硝子では主にバーナーワークと呼ばれる技法で、理化学ガラス機器を中心に多種多様なガラス製品を製作しています。
様々な機器が製作対象であるため、求められる技術も多岐に渡ります。

バーナーの炎でガラス管やガラス棒を溶かして加工する技法がバーナーワークです。
通常、都市ガスやプロパンガスに酸素を混合して得られる高温の炎で加工しますが、状況に応じて水素に酸素を混合したさらに高温の炎を使用します。

バーナーワークは主にマシンワークとハンドワークに分けられます。 マシンワークはガラス加工用旋盤を使った作業で、高精度で効率良く製作することができ、また大型のガラス機器の製作には欠かせません。
一方ハンドワークはガラスを手で持って加工するため、小さなものや複雑な形状の製作に向いていると言えるでしょう。
どちらの作業も炎の強さやタイミングなど、加工者の熟練の技術を必要とします。

凝縮器とボイラーを対象に、いくつかの加工例を以下に紹介します。

長いガラス管をコイル状に巻くことで全長を抑えた蛇管は、熱交換に用いられるもので、理化学ガラス機器ならではの形状です。 池田硝子では、蛇管製造装置を自社で開発することにより、ピッチと断面形状を変えずに長い蛇管を巻くことを可能にしています。

ガラス管の中に入れられた蛇管の両端に口をつける作業です。これにより蛇管の中に冷却水等を流すことができるようになります。 ハンドワークで手際よく確実に作業を行うには熟練の技術が必要です。

ガラス管の端部を閉じ、全長が要求される公差内に入るよう注意しながら吹いて半球状にします。 効率良く作業するために、2個ずつペアで加工するのがポイントです。

偏芯した位置に枝管を接続するためには、本体側を中心からずらして旋盤に保持します。 慣れないと大きく回転する本体に惑わされ、接続のために穴を開ける位置が見つかりません。

大口径のガラス管に平らな底を作るためには、丸く切断したガラス板を溶接します。 ガラス板が変形しないように注意しながら、よく余熱する必要があります。

理化学ガラス機器ではネジもよく使われるパーツの一つです。 池田硝子では半自動硝子加工機を使用して、効率よく高精度のネジを製作しています。

三重大型冷却器

Trio cooling coils

10Lエバポレーター用冷却器。 蛇管は三重になっており、フランジ部は水漏れを防ぐように工夫されている。 外管φ120x700mmL

二重大型凝縮器

Duo condensor

大型加熱蒸留器用凝縮器。 蛇管は二重になっている。 φ80x500mmL(フランジφ80xφ110)

ロータリーエバポレーター冷却器

Rotary Evaporator Cooler

エバポレーター用縦型冷却器。 蒸留フラスコへの戻り防止の仕組みは、メーカーと当社の共同特許による開発品。 φ80x全長430mmL(ボールジョイント仕様)

大型接続器

Gaint adapter

この機器の様に四方に枝管を溶接するためには、縦型偏芯器を使用する。

ロータリーエバポレーター ジャケット型

Rotary Evaporator, jacket type

二重管の中にドライアイス等を入れて、冷却し濃縮する。 φ110-φ90(ジャケット)x430mmL

中型の凝縮器

Medium condenser

中の蛇管は二重になっており、凝縮効果に優れる。 突沸防止付。

蒸留用 ボイラー

Distilling boiler

大型の加熱蒸留用ボイラー。セラミックヒーターが4本付きます。 φ180×250mmL(ヒーターは四本、フランジφ110mm)

石英ガラス 架台

Glass stand

石英ガラスを使用したウエハー架台。

気象用保護ドーム

Watch glass dome

内ドームと外ドームに別れている。 肉厚均一で全く傷が無く汚れの無い物。 製造できる寸法はφ20mm~90mm。

特注製作のバット

Special Made Tray

角板加工による洗浄槽。

特注製作の石英架台

Special Made Quartz Stand

石英ガラスを使用したウエハー架台。

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